【講演テーマ】
男性不妊の実情と課題、鍼灸の効果
SR鍼灸グループ 総院長
伊佐治 景悠 先生
いさじ けいゆう
【経歴・資格】
鍼灸師/博士(鍼灸学)
明治国際医療大学 卒業
明治国際医療大学大学院(博士前期課程)修了
明治国際医療大学大学院(博士後期課程)修了
2018年~ SR鍼灸烏丸 開院
2019年~ 株式会社はる 不妊治療アドバイザー
2019年~ 東洋医療専門学校 非常勤講師
2021年~ SR鍼灸茨木 -蔵- 開院
2023年~ SR鍼灸 -はなれ- 開院
2023年~ SR鍼灸大阪 開院
【受賞歴】
2016年
2016年 全日本鍼灸学会 高木賞
International Conference of World Federation ofAcupuncture-Moxibustion Societies (WFAS): Best Poster Award
WHOの調査により不妊症の約半数は男性が原因であると明らかになっている。また、現代男性の精液所見は低下の一途を辿っており、今後さらに男性不妊が増加してくると予想される。精液所見が低値の場合、パートナーに異常がなくても生殖補助医療(Assisted Reproductive Technology: ART)を選択する必要がある。また、精子の質の低下は受精卵の分割にも影響し良好胚盤胞の獲得数が減少することも分かっている。しかし、精液所見を改善させる特効薬は開発されていないため病院でも男性不妊の治療に難渋するケースが多々ある。
不妊症に対する鍼灸はこれまで女性に施術を行うことが多く、国内外で様々な研究も実施されている。一方、男性不妊に対する鍼灸は不明な点が多くエビデンスは確立されていない。そこで、男性に対する鍼灸の影響を検討したところ、造精機能や射精・性機能の改善効果があると認められた。本講演ではそれらの方法を詳説したい。
ARTは女性の肉体や精神に大きな負担が生じるため、鍼灸で精液所見を改善させARTの回避や実施回数を減少させることが可能となればその意義は非常に大きいと考えられる。